矯正治療を行う前に知っておくべきこと
矯正治療に限らず治療にはメリットとデメリットがあります。
矯正治療は知っている方も多いかもしれませんが、基本的には保険外治療となり高額な治療費になることが多いです。
それ以外にも矯正治療を行う前に知っておくべきことはいくつかあります。
どのようなものがあるかを確認しましょう。
いくつかの種類方法があること
矯正治療にはいくつかの方法と種類があります。
大きく分けるとマウスピース矯正かワイヤー矯正です。
前者は気軽に手軽に始められる一方で適応症例が限られます。
また、装置をつける時間が短いと期待された効果が得られにくいことがあります。
後者は古くから行われている治療方法です。
適応症例は比較的広いですが、歯にワイヤーをつけるため見た目が悪くなりがちで、虫歯にもなりやすい点に注意が必要です。
どちらの治療方法が合っているかは矯正治療を行う歯科医と相談しましょう。
当院の場合、ワイヤー矯正適応の方は矯正専門医に紹介させて頂いております。
治療をすべき虫歯の治療などをまず行う
矯正治療を行うとしても先ずは自身の歯の治療が優先されます。
矯正治療中は虫歯の治療が難しくなります。
ワイヤーなどを利用する矯正治療の場合には尚更です。
矯正治療を行う希望がある場合には先に虫歯や歯周病の確認をしてもらい、治療の必要性があれば前もって行うようにしましょう。
抜歯をしなくてはいけないこともあること
矯正をするということは歯を動かす必要があります。
歯を適切な位置に動かすにはその分のスペースが必要になります。
元々歯が小さい場合や顎が大きい場合には、抜歯をすることを避けられるかもしれませんが、歯を動かすスペースがない場合は抜歯を必要とするケースがあります。
抜歯をしてその分のスペースを利用して歯を並べるためです。
一般的には前から数えて4番目や5番目の歯が多いです。
その他に親知らずも抜歯の必要があることもあります。
歯を動かすのに妨げになる場合があるからです。
必ず抜く必要性があるわけではなく、状態によって左右されます。
骨格的に大きな問題がある場合
矯正治療に対してどの程度の完成度を求めるかによって異なりますが、一般的に受け口や出っ歯の方は顎の骨が出てたり、後ろに下がっているためにそうなります。
これらは単に歯並びが悪いというわけではなく、骨格的に問題があります。
矯正治療では時として顎の骨を削り前に出したり、後ろに下げたりすることを歯科口腔外科と連携して行うことがあります。
これにより改善させることがありますが、一般的な診療所でここまでの治療を行うことはあまりなく、大学病院などで行うことになるでしょう。
どこまで矯正治療にたいして要求するか、治療自体の可否も含めて内容をよく主治医と相談するようにしましょう。
治療中の注意点
治療が始まると注意しなくてはいけないこともいくつかあります。
治療を行う前に治療内容などに説明があるとは思いますが、前もって知っておくことも必要です。
治療中の注意点について確認しておきましょう。
治療中の痛みなど
特に矯正治療後すぐはワイヤーなどの装置がきつく歯が痛いと感じることは少なくありません。
ワイヤーが歯茎に当たって血が出る、傷ができるということもしばしばあります。
ワイヤーが歯茎に当たる場合には早めに主治医に相談するようにしましょう。
傷がない場合で治療後すぐに歯が痛む場合には経過を見て多少痛みが軽減されるのであれば、次回の予定までしばらく経過を見ても良いでしょう。
心配な場合には主治医に相談しましょう。
虫歯のなりやすさ
矯正治療中は特に虫歯になりやすくなります。
ブラケットやワイヤーなどの矯正器具の周囲は歯の汚れやプラークがつきやすいです。
また、汚れも取りにくくなり虫歯のなりやすさに拍車がかかります。
したがって、治療前よりもさらに虫歯にならないように注意が必要です。
歯ブラシを入念に行うことや洗口剤などを利用して歯を綺麗に保つようにしましょう。
治療期間が長い
歯の動く期間は人によってまちまちです。
治療期間が予定よりも長くなってしまうこともあります。
一般的に矯正治療は普通の歯科治療と異なり治療期間が長くなることが多いです。
1年以上の治療期間になることも少なくありません。
治療の費用の確認も大切ですが、治療期間は概ねどれくらいを予想しているかは治療前に確認するようにしましょう。
治療後の注意点
長く治療していた期間が終わり装置を外す時が来ても、矯正治療終了後は後戻りする可能性があります。
歯は綺麗な位置に並んだとしても元々あった場所に戻ろうとしてしまうことがあります。
これを防ぐために保定というマウスピースを装着することが一般的です。
これにより後戻りをなるべく抑えます。
したがって、保定をすることによって綺麗な歯並びを維持し管理していく必要があります。
矯正治療が終わっても保定は必要です。
まとめ
矯正治療前に知っておくべきことを確認しました。
治療前・治療中・治療後と大きく分けましたが、基本的にはどれも治療前には知っておくべき内容かと思います。
矯正治療は金額だけでなく治療方法や治療期間、抜歯や非抜歯などを治療前の診断でどのようになるかを確認してから始めるようにしましょう。
治療中は歯磨きが行き届きにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
歯磨きはより一層気をつけるようにしましょう。
矯正治療について確認したいことがあればかかりつけ医に相談するようにしましょう。