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NCCLって何?

NCCLとは

NCCLという単語を聞いたことがある方はいるでしょうか。

一般の方には馴染みのない言葉かと思います。

NCCLはNon-carious Cervical Lesionの略称です。

今回はこの疾患の特徴や原因、治療方法などに焦点を当てていきたいと思います。

 

 

NCCLの病態

NCCLは日本語に言い直すと、「非う蝕性歯頚部歯質欠損」となります。

クサビ状欠損という言葉でも呼ばれている事もあるかもしれませんが、歯と歯茎の境にある部位がすり減ってしまっている状態を指します。

通常の虫歯と異なり虫歯ではないにも関わらず、歯がすり減ってしまう病態です。

 

 

NCCLの症状

NCCLは歯と歯茎の境にある歯頚部がすり減り皿やクサビのような形になる事や歯茎付近の歯に段差があるように感じることがあります。

前歯、奥歯どちらにも見られる病態で特に小臼歯に多いとされています。

すり減り具合にもよりますが、非常に強くすり減ると虫歯ではないにも関わらず歯がしみる、疼くという症状が出る事もあります。

歯がくぼむ為に汚れが溜まりやすくなる事もあります。

 

 

 

 

NCCLの原因

NCCLにはいくつかの原因が考えられています。

NCCLは咬耗や摩耗、酸蝕などが原因として考えられていますが、加齢や生活習慣などいくつかの要因が絡んだ疾患であると考えられています。

したがって原因を特定しにくいのが現状です。

お口の中でNCCLが多い方は、原因の中で当てはまるものがないかを確認してみましょう。

 

 

NCCLの原因①

原因の一つとして考えられていることは、咬合力つまり咬む力です。

歯の咬む面積や歯ぎしりなどの悪習癖などもここに該当します。

強い力によって歯が欠ける、すり減るという考え方です。

しかし、咬む力がNCCLの直接的な原因として考えるには根拠が乏しいとされる論文や咬む力だけでなく他の因子も絡んでいる疾患と記載されている論文もあります。

咬む力によって歯頚部付近の歯が欠けたり、削れたりしやすくなると言われる事もあるため、根拠は乏しいですがNCCLの原因の一つとして考えられる事もあります。

 

NCCLの原因②

原因として考えられているものには摩耗もあります。

摩耗は歯ブラシの使用方法によるものなどが考えられます。

不適切なブラッシング圧や方法がNCCLの原因の一つとされています。

高頻度に歯磨きをする人の方がNCCLになりやすいという論文もあるようです。

その他に摩耗には入れ歯の金具により削れることも考えられます。

保険の入れ歯や自費の入れ歯のどちらにも言える事ですが、基本的に残っている歯に支えを求めることが一般的です。

入れ歯の支えとなる歯には力がかかりやすくNCCLになりやすいと言えるでしょう。

 

NCCLの原因③

原因としては酸蝕によるものもあります。

日頃からよく嘔吐してしまう方、逆流性食道炎などの方も該当します。

歯は酸に弱い性質があるため、胃酸のような強い酸にさらされると歯が一時的に溶かされてしまいます。

一般的にNCCLは頬側の歯のクサビ状の欠損を認めることが多いですが、頻回に嘔吐する方は歯の裏側にその所見が見られるようです。

 

その他の原因

その他の原因としては年齢も考えられているようです。

年齢自体が直接的にNCCLの原因として考えられているのではなく、唾液量や残っている歯の減少、歯や歯茎の変化がNCCLの要因となっているようです。

また、嗜好品も関係します。

柑橘系のものを頻繁に摂取する方もNCCLの原因として考えられています。

 

 

 

 

NCCLの治療

治療は基本的に虫歯治療のように、コンポジットレジンなどの樹脂やセメントを詰める治療が一般的です。

治療自体も治療する歯の本数などにもよりますが、即日で終わらせることができます。

ただし、原因を取り除かないと詰めた部位も再び欠ける、取れるということがあるかもしれません。

 

 

NCCLの治療方法

治療は基本的に詰めて治療する方法が多く行われています。

削れてしまっている部位の表面を綺麗にし、形態を整えて樹脂がつくように接着剤を塗布して詰めます。

詰める部位や大きさ、唾液の入りやすさなどによってはセメントを選択する場合があります。

一度詰めるとクサビのような形から整った形に戻りますが、原因を除去しないと詰め物が取れる事もあります。

NCCLはいくつかの因子が絡んだ病態のため、患者さんが治療後に気をつけるべきことは歯磨きの方法です。

 

 

NCCLの治療後

詰め物をするなどして治療した後は、歯磨きの方法などをもう一度見直した方が良いかもしれません。

不必要に力をかけて歯磨きをしていないか、歯ブラシの動かし方が大きくないか、研磨剤を使用した歯磨き粉を使用していないかなどを確認します。

歯磨きの方法の修正が必要であれば、歯科医師や歯科衛生士に指導してもらうようにしましょう。

その他に歯軋りや食いしばりなどの癖がある方はそれに対応するために夜間のマウスピース作成が必要になる事もあります。

型取りをした後に作成したマウスピースを装着します。

咬合力自体がNCCLの直接的な原因ではないかもしれませんが、作成する事もあります。

 

 

 

 

まとめ

NCCLについて確認してきました。

NCCLは歯の付け根の歯頚部がクサビや皿状に削れたような状態を指します。

症状はない事もありますが、しみる、疼く事もあります。

様々な要因によって発生すると考えられており、一般的には摩耗と酸蝕によると考えられています。

NCCLが見られる患者さんは歯磨きの方法などを再度確認する必要があるでしょう。

治療は早期であれば詰める治療などで対応できるため早めの治療をお勧めします。

定期的な検診などで異常がないかを確認してもらい、早期発見と早期治療を心がけましょう。

 

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