口育とは
子育て中の方の多くは、将来の子どもの歯並びを心配されるのではないでしょうか。
歯並びを左右する要因は多岐にわたりますが、歯並びが悪くなる要素の一つとして呼吸や食事、舌の位置などが挙げられます。
これらは乳幼児期からのトレーニングで修正することができる可能性があります。
口育とは、こうした考え方に基づき、口の正しい使い方を身につけるためのトレーニングを行う取り組みです。
将来的に子どもの口腔に関わるリスク因子を減らし予防管理やQOL改善を図ります。
口育の対象
口育の対象年齢はいくつくらいでしょうか。
多く取り入れられているのは離乳食が始まる5ヶ月から6ヶ月です。
離乳食を口元に運んだ時に舌で押し返すような動きがある場合にはまだ早いかもしれません。
離乳食を運ぶ際には下唇にスプーンを置くだけで口の中に入れ込むような動きは可能な限り避けましょう。
なるべく子ども自身で摂食と嚥下をするように促すためです。
口育は各年代で内容が変わり、その後も継続して行われます。
歯科医院では主に18歳未満を対象として指導や治療を行いますが、ご家庭での確認や運動も大切になります。
適切な口や舌の動かし方が身につくまで口育は続きます。
口育の重要性と内容
口育は歯並びだけの改善を目的としていません。
摂食・嚥下、呼吸、発音という口に関わることの多くのサポートを目指しています。
正しい口の動かし方でしっかりと栄養を補給すること、顎の成長をサポートすること、言語発達を促すこと、鼻呼吸を促して感染症を予防することなど口育は口を通じて全身の健康への寄与も図ります。
口育の内容としては、しっかりと食べ物を噛むこと、舌の正しい位置の習得、口腔周囲筋を鍛えること、鼻呼吸の習慣化が挙げられます。
口育の注意点
口育の重要性は確認しましたが、このようなことを知るとどうしてもそれに固執してしまいがちになります。
重要なのは子どもの適切な成長発達を促してあげることです。
したがって、適切な時期に正しいトレーニングやチェックが必要です。
一般的には柔らかい食べ物ではなく、硬い食べ物を推奨されることが多いですが、極端に硬いものや子どもが嫌がるものを無理強いしてストレスになるようでは逆効果になることもあります。
トレーニングは適切な機能の獲得まで続くため、根気強く続けられるように段階を踏んで進めましょう。
また、鼻呼吸は口腔周囲筋の弱さだけが原因でないかもしれません。
時として鼻自体に問題がある場合やアレルギーなども原因になることもあります。
鼻に関連する疾患の場合には耳鼻科受診が必要となります。
口育と口腔機能発達不全症
口育と関連して口腔機能発達不全症という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
子どもだけに限りませんが、お口がポカンと開いてしまう方や鼻ではなく口で呼吸する方を見かけたことはないでしょうか。
このような方は口腔機能発達不全症かもしれません。口育は口腔機能発達不全症にならないように予防し改善する目的があります。
口腔機能発達不全症とは
そもそも口腔機能発達不全症とは食べる機能や話す機能、その他のお口周囲の機能に関する機能が正常に獲得できていない場合を指します。
摂食機能障害などの明らかな疾患がない場合において、本来身につくはずの口の機能が十分に発達しておらず、専門的な支援が必要な状態です。
症状として多くみられるのは、口が常に開いている、食べるのが異常に遅かったり食べこぼしが多い、口で呼吸している、発音が舌足らずなどがチェック項目として挙げられます。
ご自身の子どもが当てはまるかどうかは普段の生活でもチェック可能なので確認してみましょう。
口腔機能発達不全症を改善させるには
口腔機能発達不全症は歯科医院で相談と治療が可能です。
一般的に18歳未満が対象となります。
チェック項目がいくつかあり、該当した場合は治療対象となります。
チェック項目には『食べる』『話す』機能の評価の他に唇や舌の力を測定するものがあります。
唇や舌の力が弱いと口呼吸の原因になりやすく、咀嚼や発音も拙くなってしまうためです。
治療の方法としては食事の際の姿勢や食事の硬さの指導、舌の位置の確認、ガムや吹き戻し、風船などを使った唇や舌の力を向上させる道具を使ったトレーニング、あいうべ体操やMFTなどがあります。
口育について確認したいことがあるなら
口育は口腔機能発達不全症の改善や予防につながります。
したがって子どもの食事や呼吸の仕方、発音の仕方で気がついたことがある場合には早めに受診し相談してみることも大切です。
鼻呼吸ができない場合には口呼吸が多くなり、結果として感染症や歯列不正などを罹患しやすい状態になってしまいます。
将来的な子どもの成長発達において口腔機能発達不全は見過ごすべきではありませんので、一度歯科医院で相談してみることをおすすめします。
当院では口育士が多数在籍しておりますので、ご興味がある方はスタッフまでご質問ください。
まとめ
口育が大事な理由について確認してきました。
口育は子どもの口周囲の機能に関する成長発達において重要な役割を果たします。
口腔機能発達不全の治療や予防が口育につながります。
歯科医院では離乳食を開始した0歳児からも対象としていることもあるので、癖や気になることがあれば相談するようにしてみましょう。
治療においては18歳未満の子どもが歯科医院において対象となることが多いです。
口育を通して子どもの将来のQOL向上に努めましょう。






