顎関節症とは
顎関節症と聞くと、顎がカクカク音がする、口を開ける時に顎が痛いといった症状を想像する方も多いでしょう。
一般的な症状としてはそのようなものが挙げられます。
症状は、音がするだけで痛みがない方から様々な症状を呈します。
今回は、顎関節症で受診する方や悩む方は少なくないため、顎関節症について確認してみましょう。
顎関節症の特徴
顎関節症は20代で患者さんが増加して40代くらいまで高い有病率を維持しますが、それ以降は減少します。
また、性差があり女性は男性の1.5倍から2倍の有病率です。
しかし、高齢になると有病率が減少することから基本的に経過が良い疾患です。
後述しますが、治療にあたっては不可逆的な治療が良いとされないのはこの点からも言えます。
マッサージなどの理学療法、薬物療法、アプライアンス療法などが一般的です。
顎関節症の症状
顎関節症の症状は主に口を開けた時に顎がカクカクなる症状です。
しかし、それ以外にもタイプがあります。
顎を開けるときに使われる筋肉の痛みや口が開けられなくなってしまうタイプ(クローズドロック)もあります。
その他には顎の関節の骨が変形してしまうものもあります。
どのタイプなのかは状態などを視診・触診などで確認し、場合によっては CTやMRIを撮影して確認します。
顎関節症の原因
顎関節症に決まった原因はないと言われています。
いくつかの要因が重なり起こる疾患とされています。
筋肉や顎の関節自体の脆弱さや噛み合わせの不調、日常的な良くない習慣(頬杖や歯ぎしり、睡眠時の姿勢など)、精神的にストレスを感じやすいなど多岐にわたります。
原因がどれというふうに特定できないことが難しい疾患です。
特に注意すべき点は、歯と歯を不必要に接触させる癖がある方です。
日常的に私たちは食事の時以外に唇を閉じている時は歯と歯は接触しません。
1〜2ミリ程度の隙間が歯と歯の間にはあるのです。
しかし、何もしていない時でも歯同士が常に接触している場合や歯をカチカチさせる癖がある方は顎に負担をかけやすく、顎関節症を惹起しやすいと言われています。
顎関節症の分類
顎関節症はその病態によって4つの種類に分類されます。
筋肉や関節、顎の骨に関係するものまであります。
複合しているタイプもあるため、どのような症状があり、タイプがあるのかを確認しておきましょう。
顎関節症の分類①
顎関節症Ⅰ型は咀嚼筋痛障害(筋肉の障害)です。
症状としてはこめかみ周囲の痛みなど食事の際の筋肉の痛みが特徴です。
咀嚼筋は文字通り噛む時に使う筋肉で4種類あります。
咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つが咀嚼筋です。
主に噛む時に使う筋肉のため食事の際の筋肉の痛みがあります。
顎関節症の分類②
顎関節症Ⅱ型は顎関節痛障害(関節包・靭帯障害)です。
顎関節の痛みとそれによる機能障害が主徴候です。
顎関節円板障害や変形性顎関節症、内在性外傷(大あくびや硬い食べ物を食べるなど)によって引き起こされます。
顎関節症の分類③
顎関節症Ⅲ型は関節円板障害です。
円板の位置異常や形態異常をMRIで確認して診断します。
発生頻度が1番多いタイプです。
症状によって復位性(Ⅲa)と非復位性(Ⅲb)のものに大別されます。
前者はいわゆるカクカク音がするものです。
後者は口が急に開かなくなってしまうものです。
復位性から非復位性に状態が変わる場合もあります。
顎関節症の分類④
顎関節症Ⅳ型は変形性顎関節症です。
顎を開け閉めすると関節がジャリジャリと砂や骨が擦れるような音がします。
進行してくると骨の変形が認められるものです。
このタイプは加齢とともに罹患率は上昇します。
性差はないとされています。
顎関節症の治療
顎関節症の治療としては基本的には対症療法が主流です。
前述の通り顎関節症は幾つかの要因によって起こるものであり、原因が特定しにくいものです。
症状に対して改善を図る治療が主になります。
一般的に推奨されるのは保存的で可逆的な治療法と言われています。
噛み合わせを変えるために歯を削る治療などは不可逆的な治療のため今日では推奨はあまりされていません。
その他にホームケア(セルフケア)も重要と言われています。
顎関節症の治療 自宅で個人がすること
患者さんにおいては、咀嚼筋のマッサージや歯と歯を不用意に当てることはしないなどが大切です。
Ⅰ型やⅡ型に対してはこのようなマッサージを行います。
Ⅲ型はアプライアンスや薬物療法が主になります。
Ⅳ型は骨の変形が伴うため、個人で行える対処があまりありません。
どのタイプでも顎への負担をかけないように注意を払うこと(悪習癖を止めることや極度に硬い食べものを避けるなど)は必要です。
顎関節症の治療 歯科医院ですること
歯科医院では患者さんへのセルフケアの指導の他にアプライアンスというマウスピースを作ることも多いです。
装着すると奥歯の噛み合わせが上がり、咀嚼筋の負担減少が図られます。
また、顎関節部への過重負荷の軽減を目的に作成します。
その他に顎関節痛が強い方へは消炎鎮痛剤の処方や時として筋弛緩薬などが処方されることもあります。
まとめ
顎関節症について確認してきました。
顎関節症は頻度が多い疾患であり、誰でも起こりうる疾患です。
顎の関節に音がするだけの方から口が開かなくなってしまう方や骨が変形することもあります。
痛みが伴う場合には早めに受診するようにしましょう。
個人が気をつけるべきことは、頬杖や歯ぎしりなど歯や顎に対して負荷をかけることです。
顎関節症が気になる方は一度歯科医院で相談してみましょう。






