歯の色や歯並びといった口元は、笑顔の印象を大きく左右しますよね。
昔は日本は欧米に比べて歯並びに対する意識が低く、矯正する人の割合が少ないとされていました。
しかし近年は歯並びの重要性が広く知られるようになり、子どものころから矯正する人の割合が増えてきています。
普段からスポーツしている方は矯正治療を行う際、スポーツをしても良いか気になる方もいらっしゃいますよね。
基本的に、矯正治療をしていてもスポーツは問題なく行えます。しかし、スポーツの種類によっては配慮が必要な場合もあります。
今回は矯正治療で使う装置の種類と、配慮が必要なスポーツについてお伝えします。
矯正治療で使う装置の種類
矯正治療は固定式で行う方法と取り外し式で行う方法に大別されます。
固定式
矯正治療で多く用いられる固定式の装置はマルチブラケットと呼ばれ、歯の1本1本に器具を付けワイヤーを使用した装置です。
歯の表側につける場合と、歯の裏側につける場合があります。
歯の表側にブラケットをつけている場合はスポーツ中に人とぶつかったり、ボールが顔に当たったりすると器具によって口の中を怪我する恐れがあります。
取り外し式
大人の矯正治療では、インビザラインといった薄いマウスピースの取り外し式装置が良く用いられます。
子どもの矯正の場合はプレオルソといったマウスピース型の機能装置や、プラスチックとワイヤーで出来ている拡大床などの装置が使われます。
取り外し式の装置の場合は、可能であればスポーツ中は外していただくと怪我や装置の破損の心配がなく安心です。
しかしインビザラインのようなマウスピース矯正では、装着時間をしっかり守ることが大切です。
スポーツの内容によって、装置を外すかどうかを担当医に相談しましょう。
矯正治療で配慮が必要なスポーツ
相手と接触するような激しいスポーツいわゆるコンタクトスポーツと呼ばれるものでは、他の選手と顔がぶつかることで装置によって口の中が傷ついてしまうことがあります。
またサッカーや野球といった球技では、ボールが顔に当たることで口の中を怪我してしまうこともあります。
ボクシング・空手・ラグビー・アメリカンフットボール・ラクロスなどの競技では、マウスガードの使用が義務付けられている場合があります。
スポーツと歯並びの関係
オリンピック競技を観ていると、競技に関わらず矯正治療を行っている選手を多く見かけます。
近年多いマウスピース矯正では、一見すると矯正していることに気が付かない場合もあり、多くのスポーツ選手が矯正治療を行っています。
実は歯並びの改善は見た目だけでなく身体のバランスや筋肉の使いかたにも影響し、その結果スポーツのパフォーマンスにも大きく影響することがわかっています。
スポーツ中瞬発力や一瞬の強い力を出すとき、食いしばることにより身体が安定し全身の筋力がアップするといわれています。
かみ合わせが悪いと、噛む筋肉(咀嚼筋)の使い方に左右差がでます。
下あごの骨である下顎骨と頭は筋肉を介してつながっており、咀嚼筋のバランスが悪くなると頭を支えている首や背中の筋肉のバランスも悪くなります。
その結果、全身にも影響がでます。体のバランスがずれることにより体の軸が歪み、全身のバランスが崩れることでパフォーマンスが低下します。
歯並びがよいとかみ合わせが安定し、咀嚼筋の使い方が安定することでしっかりと食いしばれるようになります。
その結果全身の筋肉や体の軸がぶれなく、重心が安定するためスポーツのパフォーマンスが向上します。
矯正治療でスポーツをする場合の安全対策
取り外せる装置の場合は、スポーツ中は外しておくと怪我や破損の心配がなく安全です。
スポーツの内容や頻度、時間によって装置をつけたままにするか外すかを担当医とご相談ください。
ブラケット矯正のような固定式の装置では、スポーツ中外すことはできません。
ボクシングやラグビーといったスポーツマウスピースが義務づけられているスポーツ以外にも、安全のためにスポーツマウスピースを使用したほうが良いケースもあります。
こちらも担当医と相談しましょう。
矯正治療中にスポーツをする際の注意点
まずは怪我をしないような事前対策が大切です。
それでも、予想外の出来事で怪我をしてしまったり装置が破損することもあるかもしれません。
その場合は自己判断せずに、歯科医院を受診しましょう。
大きなけがはなくても、装置が壊れたり歪んだままの状態だと歯並びに悪い影響が出てしまう恐れもあります。
早めの受診が大切です。
まとめ
矯正治療中でも、基本的にスポーツは問題なく行うことができます。
しかし、スポーツの内容によっては事前の配慮が必要なこともあります。
取り外しの装置でも、そのリスクによってスポーツ中に矯正装置を外すか、つけるかを判断します。
気になる場合は、お気軽に担当医にご相談してみてください。






