根管治療とは
歯の根っこの治療(以下根管治療)は歯科の中でも虫歯治療などと同じように頻度が高い治療です。
歯の神経を取る治療という説明を受けることがあるかもしれません。
根管治療には神経を取る治療(抜髄)と以前神経をとった歯に対して行う感染根管治療があります。
どちらも歯の中の神経の管(根管)を綺麗にしていく治療になります。
前者は一般的に根管が細菌に汚染されていない物で後者は根管が細菌に汚染されていることが多いです。
特に感染根管治療は感染源を取り除く必要があり、時間がかかることが多いです。
神経をとった歯が痛む?
歯の神経をとったはずの歯が後に痛むことがあります。
神経を取り除いた治療をした直後はその刺激により一定期間痛みが出ることがあります。
一般的にはこれは落ち着くことが多いです。
しかし、数ヶ月または数年後に治療をした歯が痛むことがあります。
このような場合は根管内が細菌感染を起こし、歯の根の先が膿んだり炎症を起こしている可能性があります。
この場合には感染根管治療が必要となります。
感染を起こさせないようにするには
根管治療は細菌が相手の治療になります。
根管内をいかに無菌的に治療して、その後に根管内をいかに緊密に封鎖するかが大切になります。
しかし、元々神経を取るような治療をしなければならない歯は崩壊が大きく、無菌的な治療が難しいことが多いです。
このため、再治療になるケースが少なくありません。
このような状態を防ぐために、最近では歯科医院でも専門性の高い機材や器具を用いて治療を行うことがあります。
根管治療における新しい機材や材料
根管治療は前述のように再治療が多くなってしまう傾向があります。
それを防ぐために昔から使用されているラバーダムという器具を用いることも一つの策です。
唾液が根管の中に入り込まないようにするための物です。
これ以外にもいくつかの器具を用いて治療を行うことがあります。
また保険治療と自費診療では使用する材料や機材が異なることが多いため、どのような違いがあるか確認しましょう。
根管治療で使用する機材 診断において
根管治療において前歯の治療であれば神経の管は1つであることが多く、あまり複雑でないことがあります。
しかし、奥歯になると神経の管が3つや4つになります。
奥歯になるため器具も届きにくくなり掃除が行き届きにくくなります。
根管治療を行うにあたって該当する歯の形態や根管の数は治療前に確認することができるツールがあります。
それが歯科用CTです。
根管の形態や数、根の先の炎症の広がりを事前にある程度把握できます。
これにより根管の見落としを防ぐことができます。
根管治療で使用する機材 治療において
根管治療はファイルと呼ばれるヤスリのような器具を根管に挿入し清掃します。
治療中は根の中は見えにくく、盲目的になりがちです。
根管の位置も見えにくいこともあります。
この時に使用されるのがマイクロスコープです。
外科手術でも使用されるような機材を使用して根管内を確認します。
肉眼では確認できない根管内の汚染やみつかりにくい根管もこれで確認します。
この他にも根管を清掃をする際にニッケルチタンファイルと呼ばれる超弾性のファイルを使用して治療を行うこともあります。
根管は直線ではなく、先がバナナのように曲がっていることも少なくありません。
ニッケルチタンファイルは通常のファイルよりもしなやかで曲がっている根管にも追従しやすいです。
このような材料を用いて根管内を清掃します。
根管治療で使用する機材 緊密な封鎖
綺麗になった根管も緊密に根管を封鎖をしないと再び感染を起こしてしまいます。
根管治療の最後には根管充填といって根管内を緊密に細菌が侵入しないように材料で封鎖をします。
細菌が繁殖しないようにまた、細菌の栄養源となるような物が入り込まないようにします。
この際に用いられることがあるのがMTAセメントです。
MTAセメントは虫歯の治療にも用いられることがありますが、根管治療でも使用されます。
MTAセメントは強アルカリであり、強い殺菌作用があることや固まる際に膨張する性質があります。
一般的なセメントは収縮を起こすため根管や根充材とセメントの間に隙間ができてしまい細菌感染を起こしてしまうきっかけを作りやすくしてしまいます。
根管治療における保険と自費診療の違い
根管治療は保険でも可能な治療です。
一方で根管治療を自費診療で行なっている歯科医院もあります。
この違いはなんでしょうか。
前述されていた材料や器具は非常に高額なものとなり、保険診療で導入されている医院が少ないのが現状です。
一方で自費診療では高額にはなりますが、材料や器具などが保険診療のような縛りがありません。
また、治療自体に時間をかけて行うことが可能です。
選択的根管治療という術式
一般的に根管治療を行う場合には被せ物を外して治療をします。
仮に被せ物などを外さずに歯根の治療を行うとすると、外科的治療を行うことになります。
外科治療の場合には全身的な持病の問題や治療部位によっては難しいこともあります。
そこで選択的根管治療という概念があります。
これは奥歯において原因と思われる一部の根管のみを治療する方法で被せ物を外さずに外科的な治療も行わない方法です。
被せ物の一部を削り、原因の根管のみを清掃することにより治療を行います。
被せ物が問題ないことや感染部位が広範囲に及ばないことなどの制限はありますが、根管治療の一つの方法として比較的新しい考え方となります。
まとめ
根管治療に関する最新技術とその効果について確認してきました。
根管治療は歯の中の根管内を無菌的に治療をするようにします。
しかし、根管内は形態が複雑であり、直接目で確認することが難しい場合が多いです。
そのため器具や機材を用いて治療を行います。
治療の方針や術式、使用する機材は歯科医院によって異なります。
一つの歯に対して何度も根管治療を行なっている場合には、根管治療を専門で行っている医院での治療も考慮しましょう。