歯並びが与える影響
歯並びを気にする方は少なくありません。
歯並びは見た目はもちろん、虫歯や歯周病のなりやすさにも影響します。
影響は心理面にも及びます。
歯並びが悪いことをコンプレックスとして考えている方や他人にどの様にみられているか気にしている方も多いでしょう。
矯正治療を行う方の中には、50歳以上になってから始める方もいます。
今回は歯並びによる影響について考えてみます。
歯並びが悪い状態とは
歯並びが悪いと一口にいってもいくつかの状態が考えられます。
専門的には骨格的、歯槽的、機能的の3つに大きく分ける事ができます。
特に多くの方が気にすることは骨格的な問題と歯槽的な問題でしょう。
骨格的というのは顎の骨が前に出ている場合や引っ込んでいる場合を指します。
出っ歯や受け口の状態が多いと思いますが、歯が単に前に出ているのではなく上顎と下顎の骨の位置関係や成長度合いが影響します。
骨格的な問題には遺伝的な要素も含まれます。
歯槽的な問題というのは叢生といって単に歯が前後に傾斜していたり、うまく歯が並んでいない場合(乱杭歯)や八重歯もこれに該当します。
骨格的な問題と歯槽的な問題は複合している場合もあります。
歯列不正による口への影響とは
歯並びが悪い場合を大きな括りとして歯列不正と呼ぶ事があります。
一般的には歯槽的な問題を指す場合が多いです。
これにはどのような問題があるでしょうか。
①噛み合わせの問題
②審美的問題
③虫歯や歯周病の易罹患性
④発音の問題
大きくはこれらが問題となりやすいです。
これらが元となり口元に自信が持てなくなったり、笑いにくくなったりと心理的にも障害を及ぼす事があります。
歯列不正になれば、適切に上下の歯が噛みにくくなったり見た目に影響したりすることは想像しやすいと思います。
歯並びの悪さから舌足らずの様な話し方になることもあるでしょう。
加えて、歯列不正になると汚れが落としにくく虫歯や歯周病にもなりやすいです。
歯列不正による心理的な問題点
歯列不正は前述の通り機能面や審美面の不全により、心理面にも影響が及ぶことがあります。
長期間歯列不正を気にしたまま生活している方や自分の歯並びを気にしている方は子供にも遺伝すると思い、子供の矯正を考える方が多くいます。
確かに心理的な影響が少なくないことを考えると自分のことだけでなく子どものことも心配にもなるでしょう。
心理的な側面ではどの様なことが問題になりやすいでしょうか。
歯列不正はどのように見られる?
まず初めて誰かに会う場合を想定すると、服装や頭髪や顔貌などの見た目を気にすると思います。
初めて会話をする中では声の大きさや発音以外にも、会話の中では歯並びも気にする場面があるでしょう。
幼少期や学生時代ではあまり気にしたり、気にされたりする機会は少ないかもしれないですが、社会人にもなると状況が変わります。
口元の印象は第一印象を左右しやすく、デンタルIQの高低を反映すると考える方もいます。
虫歯や歯が着色していることも気になるかもしれませんが、歯列不正を持つ方は他人から良い印象を与えにくいと考えられます。
歯列不正がもたらす自分への影響
歯並びが悪いことをコンプレックスとして捉えている方も少なくないでしょう。
見た目を気にして自分に自信が持てないこともあると思います。
歯列不正は汚れが付きやすく、ここから口臭も気になる場合があります。
口臭は自分では気が付きにくく、指摘することもされることも躊躇しやすいことが多いです。
これらは1度気になってしまうと口元を見せにくくなったり、大きく笑うことをためらってしまうことに繋がります。
自分に自信が持ちにくくなりあまり話さなくなってしまうと、消極的な印象を持たれる事があるかもしれません。
歯列不正の治療
歯列不正は一般的には矯正治療の範疇となります。
どの様な治療方針となるかは、骨格的・歯槽的・機能的な問題をレントゲン写真や模型などの資料から分析を行い判断します。
骨格的に大きな問題がなければ、一般的にはマルチブラケットを用いた治療となる事が多いでしょう。
抜歯をしなくてはいけないのか、しなくても良いかは診査結果によります。
子どもの期間は顎の成長や抑制を器具を用いて行うことが可能です。
これによりマルチブラケットを用いた本格矯正にならなくて済むか、本格矯正の期間を短くできる場合があります。
親族に歯列不正が多い方や歯並びが心配なお子さんをお持ちの保護者の方は、6歳前後に一度歯科医師に相談してみましょう。
まとめ
歯並びが悪いことによる影響を確認しました。
歯並びが与える影響は機能的な問題や審美的な問題だけでなく、心理的な問題にも発展する事があります。
矯正治療ではそのような問題を解決できる可能性があります。
矯正治療は自由診療のため金銭的な問題や治療期間が長くなることが多い治療ですが、治療後のQOLを向上・改善させることが可能な治療です。
矯正治療は一般的には治療終了まで時間がかかる治療となります。
治療後の恩恵を長く受けるためには、早めに治療を開始するのが望ましいです。
歯列不正について心配な方や歯並びが気になるお子さんをお持ちの親御さんは一度歯科医院にて相談してみましょう。