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歯科と呼吸の関係性

 

呼吸の異常は耳鼻咽喉科や呼吸器内科などの治療になるため医科の役割が大きいと思いますが、

歯科領域においても関係があることはご存知でしょうか。

歯科では特に口呼吸や睡眠時無呼吸症候群などが主に対象となります。

今回は鼻呼吸と口呼吸の違いや歯科治療との関わりがどのようにあるのかを確認してみましょう。

 

 

鼻呼吸と口呼吸

呼吸には口と鼻のどちらが適しているでしょうか。

口から呼吸する方が多くの酸素を取り込める気がしますが、あまり良いとは言えません。

鼻は汚れなどを体の中に取り込まないようにするフィルターの役割と乾燥した空気を加湿・加温する役割をします。

口呼吸では外気がそのまま体内に入ってくるため、細菌などが体内に取り込まれやすくなってしまいます。

体にとっては鼻呼吸の方がメリットが多いようです。

歯科でも鼻呼吸の方が推奨されます。

鼻呼吸ができない方は、耳鼻科、呼吸器内科など歯科以外の受診も併せて検討しましょう。

 

鼻呼吸ができない場合

鼻呼吸ができないと様々な部位に影響が出てくる恐れがありますが、歯科治療にも弊害が生じます。

例えば、歯を削って虫歯の治療をする際には、高速切削器具を用います。

熱が生じるため水をかけながら治療をする事になりますが、鼻呼吸ができない方は口に水を溜めて治療ができません。

治療自体が満足に進められない可能性が出てきます。

副鼻腔炎や鼻炎などの症状が続く方は耳鼻科に相談するようにしましょう。

 

 

 

口呼吸による口の中の弊害

歯科で呼吸が関係することの一つは、呼吸の仕方です。

口呼吸と鼻呼吸がありますが、口呼吸が問題になりやすいです。

口呼吸では風邪をひきやすいと聞いた事があるかもしれません。

歯科領域では口呼吸は歯肉に問題を起こすだけではなく、虫歯や歯列不正などにも影響します。

 

口呼吸による弊害①

口呼吸では口の中が乾燥します。

口の中は唾液により通常は湿潤状態であり、ある程度の自浄作用があります。

しかし、乾燥状態ではこの働きが弱くなります。すると歯茎が常に空気に触れて炎症を起こしやすく、細菌が停滞しやすくなります。

これによって、歯茎が土手状に腫れる事があります(テンションリッジ)。

また、自浄作用の低下によって、歯についた細菌も落ちにくくなり虫歯になりやすい状況になります。

 

口呼吸による弊害②

①の弊害に付随しますが、口呼吸により汚れが停滞しやすくなると口臭が発生しやすくなります。

汚れの停滞は歯の着色も起こしやすくなります。

口呼吸によって唾液による恩恵が受けにくくなると様々な側面から不都合が生じます。

 

口呼吸による弊害③

口呼吸による弊害は歯肉や歯だけにとどまりません。歯並びにも影響します。

口呼吸をする方の中には口が開いた状態の方がいます。これにより舌の位置が悪くなり、唇の圧が歯に伝わりにくくなります。

結果として出っ歯(上顎前突)、叢生(歯並びが綺麗でない)状態になりやすいです。

また状態によっては受け口(反対咬合)になることもあります。

口呼吸はアデノイド(咽頭扁桃)が肥大する原因とも言われています。

鼻と喉の間に位置するのが咽頭扁桃です。

通常の鼻呼吸では鼻毛などがフィルターの機能となり刺激を緩和してくれますが、口呼吸の場合には細菌やウイルスが直接咽頭扁桃を刺激しやすくなります。

したがって口呼吸はアデノイド肥大を起こす一因と言われています。

 

 

 

口呼吸のチェックポイント

口呼吸についての体にとっての悪影響は記載してきた通りです。

しかし、自分で口呼吸をしているかどうかや自分の子供が行っているかのチェックはどのようにすれば良いでしょうか。

いくつかのチェック項目があるので確認してみましょう。

 

口呼吸をしているかのチェックポイント

・普段から口がポカンと開いている(唇が完全に閉じていない)

・呼吸音がうるさく感じる

・唇が乾燥しやすい

・口を閉じた時に下顎の先に梅干しのようなシワができる

などが挙げられます。

日頃から口呼吸が癖になってしまっている場合には、意識的に鼻呼吸をするようにしましょう。

普段から鏡を見て口が開いていないか、前歯が見えていないかなどを確認してみましょう。

 

口呼吸の改善方法

口呼吸を行なってしまうのにはいくつか原因が考えられます。

鼻疾患などが原因の場合には、早めに耳鼻科の受診をお勧めします。

しかし、口周りの筋力が低下しているために口呼吸になってしまう方も中にはいます。

口周りの筋肉を鍛えるには体操があります。よく行われるのは『あいうべ体操』です。

お口を大きく「あ・い・う」の口の形にして、最後に舌を前にしっかり「べー」と出す運動です。

これを1セットとして30回くらいを目安に繰り返します。

口呼吸になっている方は最初はかなり疲れるかもしれませんが、しっかりとやることによりお口周囲の筋肉が鍛えられ口呼吸を改善できる可能性があります。

まずは10回でも良いので少しづつ筋力アップをしていきましょう。

 

 

 

まとめ

歯科と呼吸の関係性について確認してきました。

口呼吸は歯や口の中にも悪影響を起こすことがあります。

歯科治療も難しくなる場面もあるので、意識的に鼻呼吸をするように心がけましょう。

近年、口呼吸は睡眠時無呼吸症候群との関わりも指摘されています。

口呼吸は自分で改善させることができる可能性もあるので、紹介したお口の運動も試してみましょう。

もし自分や自分の子供の口呼吸が気になる場合には、歯科医院に相談することも検討しましょう。

 

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