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TCHって何?

TCHという言葉は馴染みのない単語かもしれません。

Tooth Contacting Habitの頭文字をとってTCHと言います。

通常何もせず口を閉じている時には唇は閉じていますが、歯と歯は触れていないはずです。

しかし、平時でも歯と歯を噛み合わせたり、カチカチとぶつけたりするなどしてしまう癖をTCHといいます。

この癖により歯や歯を支える歯周組織、顎関節に悪影響を生じさせる事があるため注意が必要です。

TCHがある方は無自覚に行なっている場合もあります。

ふとした時に歯と歯が触れていないか確認してみましょう。

 

 

TCHによる症状

TCHによる症状は大きく分けると

1、歯そのもの

2、歯を支える歯周組織

3、顎の関節や筋肉

に症状が出やすいことが挙げられます。

TCHがあるからと言ってすぐに何か症状が出るということはなく、蓄積された癖により不都合が生じます。

歯と歯が触れることにより、歯自体に物理的に力が生じ、歯がすり減る、欠ける、割れるなどの症状が出る事があります。

歯を支える歯周組織には、歯根膜という歯と骨をつなぐ繊維のような構造があります。

そこにも力がかかると炎症が起こる事があり、噛んだ時の痛みを生じたり歯が揺れるような感覚になったりする事があります。

歯周病がもともとあり、このような持続的な力が働くと歯周病が悪化しやすいことも知られています。

また、下顎は顎周囲の筋肉によって位置が調整されています。

口を閉じる筋肉と開ける筋肉の緊張がTCHによりアンバランスになるため、顎関節の痛みや顎周囲の筋肉の痛みを生じやすくなります。

 

 

TCHの原因

TCHの原因はどのようなものが考えられるでしょうか。

ストレスや噛み合わせ、パソコンやスマートフォン使用時などの姿勢の悪さなどが挙げられます。

ストレスを感じやすい環境の時には無意識に噛み締めなどの動作を起こしやすいものです。

噛み締めるような強い力を出さないまでも、歯と歯を接触させてしまうことは考えられます。

パソコンなどを使用する仕事の方は、作業中の姿勢が悪くなりやすくストレス下で行うことが多いかと思います。

このような方は特に注意が必要と思われます。

 

 

 

TCHの可能性がある口のチェックポイント

TCHがある方には歯だけではなく口の中にも疑われる所見が出る事があります。

皆さんの中にはそのような所見がないか口の中を確認してみましょう。

注目すべきは

1、歯

2、舌

3、頬

です。

しかし、これらの所見はTCHではなく、夜間や日中のいわゆる歯ぎしりや食いしばりなどでも起こり得ます。

また、TCHと歯ぎしりや食いしばりでは起こり得る症状が変わらない事があります。

 

歯のチェックポイント

歯のチェック項目は歯がすり減っていないかです。

自分で確認する際に1番わかりやすい所見でしょう。

咬む面がすり減っていないか、奥歯の溝が見えにくくなっていないかなどが確認項目です。

 

舌のチェックポイント

舌のチェック項目は舌の縁の形態です。

舌の縁が歯の形に沿って波打っているような形態になっていないかをチェックしましょう。

ただし、この形態になっているからといって必ずTCHと断定できるものではありません。

 

頬のチェックポイント

頬のチェック項目は頬の内側の形態です。

頬の内側に白い波のような痕がないか確認してみましょう。

歯を押し当てたような痕がある場合にはTCHがある可能性があります。

これも舌の時と同様に必ずTCHと断定できるものではありません。

 

その他に姿勢を正した状態で、力を入れず唇を軽く閉じて歯と歯が接触しない状態(歯と歯が2~3ミリ程度開いている状態)を実践してみましょう。

この時に違和感を生じる、またはこの状態を5分程度維持できない場合にはTCHがある可能性があります。

口の中のチェックポイントはいくつかありますが、断定できるものが多くありません。

したがって、歯や歯周組織、顎の状態や症状などからTCHを疑い治療を行うこととなります。

 

 

 

TCHの治療

TCHの治療は単に夜間の歯ぎしりや食いしばりというものではなく、日常から起きている蓄積された癖のため簡単に治るものではありません。

一般的にはストレスを溜めないようにリラックスをするように言われることが多いかもしれません。

ふとした時に歯と歯がぶつかっていないかを確認し、力をかけない練習が必要です。

注意しないといけないのは、あまり気にしてしまい、かえってストレスになってしまう方がいます。

ここが難しいのですが、気にすることは大事です。

しかし、気にしすぎることは悪影響になることがあります。

深呼吸をしたり、一定の間隔で口の中を気にしたり、大きく口を開けたり閉じたり、口のストレッチをしたりなど、ストレスを溜めないように自分に合った解消方法を見つけてみることが大切です。

 

 

 

まとめ

TCHは小さな力ですが歯や歯周組織、顎関節などに様々な影響を及ぼす可能性があります。

TCHは癖であり習慣化している可能性があります。

そのためすぐに治す事が難しい事があります。

自分自身で癖がないかチェックすることやストレスを溜めないようにすることも大切です。

気になる場合には一度かかりつけ医に相談してみるようにしましょう。

 

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